2022年10月2日の礼拝メッセージの要約です。説教者:倉嶋新
へブル人への手紙1章1節~3節 「御子についての手紙」
1. へブル人への手紙
この手紙はAD70年より前に書かれたものだと考えられています。著者は教会を指導する立場にあった人によるものだとされていますが、詳細は不明です。この手紙の内容は神学的に深いだけでなく、当時の教会の人々の歩みに寄り添うものでした。この手紙が難しく感じる理由は、ユダヤ人的な視点が多く盛り込まれている点にありますが、当時のローマ社会や生活する人々の苦闘が、この手紙を書いた背景にはあります。彼らは「主は再び来られる」と信じ、希望を持って歩んではいるけれども、目の前の困難や自分たちの弱さに打ちのめされてもいました。では、この手紙は彼らに、そして私たちに何を教えているのでしょうか。
2. 昔と今
「昔と今」という切り口で、この手紙は始まります。「昔、神は預言者たちを通して語られた」というのは、旧約聖書を指しています。神は様々な形で、人間にご自分の存在や意図を啓示して来られました。一般啓示と呼ばれる自然や歴史を通しても、神はご自身を私たちに示されました。人間にも神の痕跡が刻まれています。さらに聖書を通して、神はご自身を啓示されました。そして「終わりの時」には、御子にあって私たちに語られます。御子イエス・キリストを通して、神はご自分とこの世界のことを明らかにされたのです。
3. 七つのことば
この手紙は御子イエスのことを、七つのことばで説明しています。一つ目は、神は御子を万物の相続者と定めたこと。二つ目は、御子によって世界を造られたこと。三つ目は、御子は神の栄光の輝きであること。四つ目は、御子は神の本質の完全な現れであること。五つ目は、御子は力あるみことばによって万物を保っていること。六つ目は、御子は罪のきよめを成し遂げられたこと。七つ目は、御子は神の右の座に着かれたこと。さらにこの七つを分類すると三つの職務となります。それは王なるイエス、預言者なるイエス、大祭司なるイエスです。私たちは、王であり、預言者であり、大祭司である方によって、支えられ、教えられ、今も守られているのです。「永遠のいのちとは、唯一のまことの神であるあなたと、あなたが遣わされたイエス・キリストを知ることです。」ヨハネ17:3
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