2022年9月4日の礼拝メッセージの要約です。説教者:倉嶋新
マルコの福音書2章13節~17節 「そばにまで来られた方」
1. 取税人レビ
イエスはアルパヨの子レビと出会います。レビは取税人でした。この出来事も福音の訪れを感じさせるものです。なぜなら「取税人」という言葉が大きなインパクトを持っていたからです。当時のユダヤ人たちは取税人を罪人に入れて扱っていました。彼らは、ローマ帝国の税金を集めるために、同胞からお金を取り立てていたからです。彼らはローマ人の手先とみなされ軽蔑されました。お金はあるが、社会的な信用はない、それが取税人です。イエスは取税人のレビに「わたしについて来なさい」と呼びかけられました。イエスがしたことは「取税人を弟子に取る」ということです。その行動は人々にどのように映ったのでしょうか。
2. イエスのふるまい
取税人を弟子に取る、そんなことをしたら何を言われるか分かりません。さらにイエスは大胆な行動に出ます。レビの家の食卓に着かれ、当時罪人とみなされた人々と食事をともにしたのです。しかしそれを見て、パリサイ派の律法学者たちは「なぜ、あの人は取税人や罪人たちと一緒に食事をするのですか」と弟子たちに問いました。それは彼らには受け入れがたいものだったからです。あなたはどの立場の者としてこの場面を読み取るのでしょうか。どの立場にいたとしても、私たちはイエスのことばを聞かなくてはなりません。
3. そばにまで来られるイエス
イエスは律法学者たちのことばを聞いて、「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためです。」と答えました。律法学者たちはこれを聞いてどう思ったのでしょうか。律法学者たちは、誰よりもイエスの言葉の真意を分かったはずです。彼らの間違いは、神の救いの引き出し方にありました。彼らは神の救いを、自分の正しさ、聖さによって、引き出せるのだと考えていたのです。しかし、イエスが語ったのはまったく異なることでした。救いは神から引き出すのではなく、神の方から近づいてくださり、招いてくださる、そのことをイエスは明らかにされました。レビに声をかけたのはイエスご自身です。その主の招きに応えるだけでよいのです。ただイエスの招きに素直に応じ、そこから始まる神との関係へと進んで行くことが、この信仰の始まりなのです。
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