2024年10月13日の礼拝メッセージの要約です。説教者:倉嶋新
マタイの福音書9章9節~13節 「取税人マタイ」
1. 取税人マタイ
イエスはさらに進んで行きます。それは「神の国」の訪れの先駆けと言ってもいいでしょう。ここで著者であるマタイが登場します。それはまるで、病が癒されることと、自分に起こったこととが本質的に同じであるかのようにそのエピソードが語られます。マタイは取税人でした。この時代、取税人はユダヤ人の中で「罪人」と呼ばれ、さげすまれた代表格です。彼らの給料は余分に取り立てたお金で、汚職も蔓延していました。それにも関わらず、取税人マタイにイエスは近づき、そして声をかけます。「わたしについて来なさい。」
2. 立ち上がるマタイ
マタイは立ち上がってイエスに従いました。ここで使われている「立ち上がる」という言葉は、「復活」を表す言葉と同じです。罪人と言われた取税人である自分が、イエスのことばに従い、そして立ち上がったことは、彼にとっては死に至るいのちからの復活だったのです。マタイにとってこの出来事は神の国の訪れです。信じることは難しいこととして書かれていません。ただイエスが近くに来られ、声をかけ、そしてその声に従う…それだけのことです。私たちにおいても同じことが起きます。ここで語られていることは、私たちのことでもあるのです。
3. 医者を必要としている人々
この後、取税人や罪人たちとイエスはともに食卓に着きます。それを見たパリサイ人たちは非難します。するとイエスは「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人です。」と語りました。イエスは、自分は「医者」であり、人はみな罪という病を負っている「病人」であると言ったのです。パリサイ人たちは「神を知る」という、最も大切なことを失っていました。「神を知る」とは知識だけの話ではありません。神の愛そのものであるイエスを通して、私たちは神の愛と出会うのです。私たちが本当に神と出会うのは、癒しが必要なところ、慰めと救いの言葉を必要としているところです。主はあなたのところにも来てくださるのです。
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